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みかん、の後日談

先日、この記事を書いた。

新聞に掲載されてから数日後、見知らぬ女性が我が家を訪ねてこられた。

「どちらさまですか?」と問う私に、その女性はいくぶん高揚気味に

「みかんの母親です」と。

ずいぶん言葉をはしょられてはいるが、すぐにピンときた。

思わず「無断で書いてしまってすみません・・」と頭を下げた。てっきり抗議に来られたのかと思ってしまった。

しかし違った。

よくよく話を聞いてみると、この記事を読まれたどなたがが「この店のことが新聞に載ってるで」と、みかん屋さんに読み聞かせてくれたそうだ(みかん屋さんは、全盲)

仕事を終え帰宅したみかん屋さんは、ご両親に「僕のことが新聞に載ってるよ」と伝えたそうだ。

「どれどれ・・」と読まれたご両親は、コンビニで新聞を3部買い、みかんと一緒に遠方のご親戚に送られたという。

そして「生野区、杉本佐希子って誰?」となったようだ。

ここで驚くのは、みかん屋さんの父上が、私の住む地域の町内会長だったという事実だ。

生野区には「杉本」姓が割と多い。杉本ばかりがかたまっている地域もある。

しかし、そこは町内会長の力!(どんな力かはわからぬが・・笑)

私を突き止めてくださった。

そして、会長の奥様が、わざわざうちまでお礼を言いに来てくださったという顛末だ。

もちろん手ぶらで来られたなんてことはない。だって、会長の奥様だもの。

みかん屋さんの場所も店名も詳しいことは何ひとつ書かなかったのに「これはあの店だ」と気づいてくださり、読み聞かせてくださった方がいる、ということにも驚きとともに感慨深いものがある。

以前別の記事で使った言葉を再び書こう

いくのな人の優しさ、ここに極まれり

この記事を書いた いくのなライター

サッキー(杉本佐希子)
サッキー(杉本佐希子)
エッセイスト
生まれと育ちは京都市山科区
生野区に嫁いできて40年

いくのの日のライターとして
「毎月19日はいくのの日」の周知を目指します

いくのの日の旗があると、初めての店に入りやすく
初対面の人ととの会話のきっかけになるという経験があり
人見知りで緊張しがちな自分の中のハードルがぐんと下がる
そんないくのの日の旗を多くの人に知ってほしい。

好きな作家は宮部みゆきと桜木紫乃

歴史と地形の高低差やへりに目がない62歳
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