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【踊る髭の生活 〜ベトナムよりいくのの皆さんへ〜】 ベトナムでの病気。

ベトナムでの病気

シンチャオ!こんにちは!

ベトナム在住の旅する歯科医、ナックです。
ベトナムに来てはやくも1年が経ちました。
その間、体力自慢なぼくも環境の変化から病気にかかったのですが
なかなか日本では体験できない貴重な(?)ものもあったので今回はベトナムで経験した病気を紹介します。

胃腸炎やデング熱も怖いが・・・

ベトナムのハノイは外国のなかでも比較的美味しい日本食が食べられる町です。
日本人なら誰でも食べたくなるお刺身ももちろん楽しめます。ただ、あまり不用意に食べていると痛い目にあいます。

ある日昼ごはんに某日系レストランでネギトロ丼を注文したぼく。

何度もその店で同じメニューを注文したことがあったのですが
その日は魔がさしたのか、見事に当たってしまいました。

口に入れた瞬間に「ちょっと変な味がするかな?」とは思ったものの、まあ大丈夫かあーとバクバク食べ進めてしまった自分。

醤油とワサビをかけたらなんとか味をごまかせたので完食してしまいました。

1時間後。
スタッフから「顔が赤いけど大丈夫?」と声をかけられ熱がある事を自覚。
みるみるまに発熱し、顔面が紅潮。

お酒でもあまり赤くならないタイプなので明らかに異常な様子。

全身に発赤、湿疹がでて 腕も足も真っ赤な状態。
意識ははっきりしていましたが、お腹は下している様子でした。

はじめはネギトロ丼との関連性を思いつかず、まさかデング熱だろうか?!
そういえば最近よく蚊に刺されていたし。。。と考えていたところ

「これは何かのアレルギーぽい」とナースの資格を持つスタッフ。

でもほとんどアレルギーなんてなったことないんだよなあー。
とこの時始めて昼に食べたものの事を疑いました。(おそい。

食べた時の「なんか変な味?」はだいたい正しい。

ググってみるとでてきたのは

「ヒスタミン中毒」という食中毒。

赤身魚(マグロ、ブリ、サンマ、サバ、イワシ等)に多く含まれるヒスチジンは、
ヒスタミン産生菌が産生する酵素の働きで、ヒスタミンになるらしく。
ヒスタミンとして100ミリグラム以上食べると、食中毒を発症するらしいのです。

『生の赤身魚は常温で放置してはいけません。
冷蔵でも、長期間の保存でヒスタミンの量が増えることがあります。
冷蔵の場合でも、できるだけ早く食べてください。
赤身魚の干物など加工品も、低温保存してください。
冷凍した赤身魚を解凍する時は、冷蔵庫で解凍するなど、可能な限り低温で短時間のうちに解凍してください。
凍結と解凍の繰り返しは避けてください。
食品中にヒスタミンができていても、外見の変化や腐敗臭はありません。
しかし、ヒスタミンが大量にできていると、
食べたときに舌が「ピリピリ」することがあります。香辛料によるものでなければ、食べるのをやめてください。

『多くの場合、食べた直後から1時間以内に、顔面、特に口の周りや耳たぶが赤くなったり、
じんましん、頭痛、おう吐、下痢などの症状が出ます』

・・・初耳やけど完全にこれや。
自分の舌を信じずに食い意地はったのが全ての原因・・・。

簡単にいうと赤身の魚の保存の仕方が悪いとなる食中毒。

今まで日本で死ぬほど刺身を食べてきたけど、経験ありませんでした。
(ですが調べると結構出てくるので日本でもよくあるのかもしれません。)

本人のアレルギー性質に関係なく、一定量のヒスタミンを取り込むと起こってしまう中毒症状とのこと。

症状的にも重なるのでおそらくこれだろうと医院にあったアレルギーの薬(抗ヒスタミン剤)を服用。

みるみる熱はさがり、1時間後にはもとの状態にもどっていました。くすりの力すごい。

いやー、はじめてなったわーこんなの。いい経験したわーと僕が笑っていると

「ベトナムではよくなるよ。日本は魚が新鮮で綺麗だからだね」

僕は知らずしらずのうちに日本の色々な技術の恩恵をうけていたことを実感したのでした。
もうハノイで刺身は食うまい、と決意した日でした。
(いつまでもつだろうか・・・)

顧みられない熱帯病

さらには、日本では10年前に絶滅したというサナダ虫にまさかの寄生されるという事態もありました。
ええ。びっくりですね。
70歳をむかえる日本の友人にも経験ないと言われました。

この件については壮絶すぎるので、また別メディアでまとめようと思っていますが、
総じていうと「サナダ虫ダイエットなんかほんと苦しいからやめとけ。ジム行って運動しろ」の一言です。

謎の体調不良と下痢、発熱、腹部膨満感が続きます。
栄養は全てヤツに取られてしまうので、顔色も悪くなってゆく一方。

原因がわかるまでは本当に恐怖の日々を過ごすことになります。

ベトナムではまだ、サナダ虫の集団感染なんていうのが起こったりしています。

地元の人曰く「半年に一回は虫下しのんだ方が良い」とのこと。

その虫下しも、効かなかったりするんだぜえ。(経験談)

ベトナムにはまだまだ「顧みられない熱帯病」が存在するのです。

病を経験すること、そしてそれを語ることはわりと大切なことだと思っているので

本当に貴重な体験をさせていただいているなァと思っています。(遠い目)

ちなみに両親にこの話をするとドン引きされて 「ちょっと知り合いには話せない」とまで言われました。

日本の皆さんも、これからの暑い時期食中毒や寄生虫(?)には要注意ですよ!
そして旅行の際にはなるべく火の通った料理を選ぶほうが良いかもしれません。

今回はベトナムでの病の経験の話でした。

それではまた。

✳︎日本国内には25万人を超えるベトナム人が住んでいると言われています。
いくの区でもベトナムの方と会う機会が増えてきていると思います。
このブログが、日本とベトナムの間の相互理解に役立てばとても嬉しいです。

この記事を書いた いくのなライター

ナック
ナック
ベトナム ハノイ市在住の旅する歯科医。

40カ国以上をバックパックで旅する。
大阪市生野区でシェアハウス、旅する漫画喫茶nyi-maを運営。
現在はハノイの日系歯科医院で院長を務めている。
「知性と野性」がモットーの自由気ままな髭の人。
あふれる浪漫とさけるチーズが大好物です。
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