閑話休題 知らんけど
某月某日
ヒートアッププロジェクト事務局の平井氏との雑談の中で、ヒートアップの進捗状況やあらためての「ヒートアッププロジェクトとは?」といった話題が出た。
私自身も知らなかったことや誤解していた点もあったので、ここに記しておこうと思う。
そもそもではあるが「ヒートアッププロジェクトとは?」
9月28日(土)に、ワンディヒートアップイベントがある。
詳しい内容は発表を待たねばならぬが(現在参加者を募集中)、おおまかなところで言うと
「歌」「食」「子どもたちの遊び・体験」「いくのの未来について大人たちのプレゼン」
子どもから大人まで世代・性別・国籍等を問わず、誰もが心を弾ませ待ち望み、出演者はちょっぴり緊張して当日を待つ。
イベントとしてなら、この1日だけでいいのでは???
そんな疑問に平井氏の答えはこうだ。
「1日だけだと、都合で参加できない人もいる。出店したいけど家は区役所から遠くて荷物運ぶのにちょっとなあ・・という人もいる。でも、ヒートアップは気になるし・・という人に向けて、前後20日間ほどの幅を持たせマンスリーイベントとして自分の店(自宅)で、日程も自分で決めてやりたいことも自由に決められる。つまり、参加するための敷居を思い切り低くしてみたんです」
(なるほど・・マンスリーにはそんな意図があったのね)←杉本、心の声。
一部の熱量の高い人だけが盛り上がるのではなくて、「なんとなく面白いことがしたいなぁ」と思う人々に対して、気軽に参加できる仕組みを作ってみた、ということのようだ。
自分の店・居場所で日常の延長のようにイベントを計画するというのは、ちょっとした特別感もある。
そして、あの人もやってる、この人も参加するらしいで、という連帯感も生み出す。各々が身近な人物に「ヒートアップってやってるんや」と話題にすることによって、生野区の楽しそうなイベントの告知にもなる。そうやって生野区を知ってもらうことに繋がれば・・という平井氏の顔はいつの間にか「知らんけどいくの」の顔になっている。
知らんけどいくのさんの中の人は・・と今更明かすほどのことでもないとは思うが。
知らんけどいくのさんは、最初Instagramで生野区の様々な場所をあげていた。
そのうち、飲食店の動画になってきた。(へーこんなお店が生野区にはあるのね)←杉本、心の声その2
知らんけどいくのさんにそのつもりはなくても、宣伝のようにもなっていたかもしれない。
そこに現れるのが、人の懐を心配する人間だ。杉本も、どちらかといえばそういうタイプかもしれない。
「知らんけどいくのは、あんなにあちこちで飲み食いして財布の中は大丈夫なんかいな?」
知らんけどいくのさんにもそんな声は届く。しかし我々はタニマチになるほどの財力も気概もない。(とほほ)
そこで、コーヒー豆とステッカーが登場する
コーヒーは700円。ステッカーは500円だそうだ。安くはないが高くもない。私にも買える。買うことで、人々は知らんけどいくのの活動を支えることになる。
これは大きく言えば「経済を回す」ということになる。そして「大丈夫かいな?」という心配をなくし「(宣伝を)やってもらって悪いなぁ」という罪悪感のようなものもなくし、「何もできないし・・」という疎外感のようなものも小さくしていく。
何らかの活動をしていくなかで生まれがちな問題をひとつひとつ解決していく手段でもあるような気がしている。
あのコーヒー豆とステッカーには、それだけ練られた戦略があったのだ。
(ここらへんで、杉本はちょっと平井氏を見直す)
町つくりを実行に移すには、セミナーをやるよりも人の気持ちを動かすことらしい。
お金(対価)を払うのがてっとり早くはあるが、なかなかそうもいかない。町つくりに興味がありそうな人の気持ちを動かすのは「5人中3人が知っている」という「勘違い」が必要なのだと。
(ここで「勘違い」という言葉を使うとは、この人はなんだか面白い人間だ)←杉本心の声その3
人というのは、5人のうち3人が知っていることがあり、自分が残りの2人のほうだとすると、「3人」の仲間に入りたくなる。
しかし、本当に「5人中3人が知っている」かどうかはわからない。あくまで「5人中3人が知っている」ように見える「勘違い」
それを生野区で作ろうとしているのではないだろうか?
SNSの発達(発達・・っていう?発展??)により、人に上下の関係がなくつながれるようになってきた。人間同士が話せる仲になり、そんな関係を作っていくことが「価値」というものになる。
先のことはわからないし、ヒートアッププロジェクトがどう動いていくのかもわからない。
しかし、気の合う者同士が集まって何かをしようとしたら何かが起こるのではないか?それは誰かから押しつけられたわけではなく。
余談だが、生野区のとあるクリニックのドクターは診察が始まる前、クリニック前の道路を掃除しているという。
もちろん、ドクター自身はそんなことを吹聴はしない。しかしこういったことは自然に広まってゆくのである。
「ゴミを捨てるな」とドクターは言わない。ゴミがあれば自分で掃除しに行くのだ。
これから先、生野区がどう変化するのかしないのか。
ただ、やれることはすべてやり尽くそう、そんなふうに思いながら筆を置く。
(本当はパソコンをシャットダウンする)
この記事を書いた いくのなライター
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エッセイスト
生まれと育ちは京都市山科区
生野区に嫁いできて40年
いくのの日のライターとして
「毎月19日はいくのの日」の周知を目指します
いくのの日の旗があると、初めての店に入りやすく
初対面の人ととの会話のきっかけになるという経験があり
人見知りで緊張しがちな自分の中のハードルがぐんと下がる
そんないくのの日の旗を多くの人に知ってほしい。
好きな作家は宮部みゆきと桜木紫乃
歴史と地形の高低差やへりに目がない62歳
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