No.33 【革のカシミヤ・鹿革】ジビエレザーで作る小銭入れ
Expoいくのヒートアッププロジェクト No.33の企画はジビエな靴屋ボンドさんのワークショップ。
ジビエな料理などを最近聞くようになったが、ボンドさんの「ジビエ」は鹿ということだ。鹿の皮で作った靴を製造・販売されている。
しかし、まだまだ「鹿の皮」というものが認知されているとは言い難い。まずは鹿の皮がどういうものか触って知ってほしい、自分で小銭入れを作って、愛着を持ってほしい・・という店主の願いがあるのかな?
しかし、こんなことを書いては身も蓋もないのだが、私は、はなから「靴」の方に興味を持った。ワークショップはお店に潜入するためのきっかけ作りのようなものだ。
しかし、手順はきちんと踏まねばならない。こう見えて、常識人なのだ。Instagramで予約をし、当日はストーリーで早めにオープンされたのをチェックして、それなら「予約より早く伺ってもいいか?」とメッセージを送り、OKをもらい、10時半頃到着した。
なのに、なのに・・・「本当に来たのですね!!???」と驚かれるってどーゆーこと??(笑)
まぁ、それだけ冷やかしやドタキャンも多いということなのだろう。店主の今までのご苦労が忍ばれる。
そんな店主はこんな人。皆さんがよくご存じの方も、偶然居合わせた。
さて、いくら靴が目当てだといっても、まずはワークショップをしなければ。
鹿の皮を小銭用の型に裁断されたものが用意されていて、ボタンをトンカチで叩いて皮にめり込ませる。
ざっくりすぎた説明なので、もっと知りたいと思ったらお店へ行ってほしい。ヒートアッププロジェクトの期間中は土日に限りワークショップをやってるはず・・・
不器用には定評のある私でも、そこそこちゃんと作れてホッとする。小銭入れ、ということなのだが私はピルケースがぴったりと収まったので、薬を入れて持ち歩こうと思う。女性なら他に細かいもの、例えばアクセサリー・・イヤリングとかピアスとか、指輪とかもいいかもしれない。
ボンドさんのストーリーから拝借
そして、本来の目的である「靴」だ。他にワークショップのお客さんがいなかったのも幸い、(知らんけどさんはいたけれど・・笑)
店内にある靴を色々履かせてもらった。私はどこの靴店でも「これでもか!」というほど試し履きをする。今までは「店に迷惑かも・・」と思いながらも靴に対するこだわりは捨てられず、色々履いて気に入った靴を見つけようとしていた。
その様子を見ていた店主が「ほんまに靴が好きなんですね」と破格の笑顔。
迷惑ではなかったのか・・・プロには靴が好きということがわかってもらえるのか。何か大きな存在が自分を肯定してくれたような気がした。
時間をかけて、この一足を選び出し購入することを決めた。足に吸い付くような靴。かかとは浮かないし、つま先もぴったり。歩きやすい。
「この一足」と書いたのに二足あるのは何故???それには大きな謎が(笑)
生野区の町のどこかで私をつかまえて聞いてくださった方にはその秘密と靴の価格をお教えいたします。
余談ではあるが、カード決済しようと思ったら、カードリーダーの調子が悪くできなかった。店主は靴は持って帰ってもらってもいいとおっしゃってくれたが、それでは寝覚めが悪い、私がトンズラするかも・・(笑)ということで、決済できるようになったらまた来るので、その時に・・ということで一旦は帰った。小一時間すぎたら「決済できるようになりました!」とメッセージが。
最初にどうしてできなかったのかは店主の名誉のために言わないでおく。
この出来事で、私は考えた。もし、デパートや都会(生野区は都会じゃないのか?という議論は一旦置いておく)の靴店で決済不能になったら、客は怒るし店は平謝りだろう。
しかし、私は腹も立たなかったしボンドさんの店主も「いや~、すみません」と笑って謝るだけだ。これが「繋がり」というものなのだろう。「いくのの日」の旗で繋がり、ヒートアッププロジェクトで繋がったお店や人とは、怒りが生まれる余地がない。なんか笑ってすませたくなる。
不思議な不思議なヒートアップ。
ああ、良い買い物ができた。
この記事を書いた いくのなライター
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エッセイスト
生まれと育ちは京都市山科区
生野区に嫁いできて40年
いくのの日のライターとして
「毎月19日はいくのの日」の周知を目指します
いくのの日の旗があると、初めての店に入りやすく
初対面の人ととの会話のきっかけになるという経験があり
人見知りで緊張しがちな自分の中のハードルがぐんと下がる
そんないくのの日の旗を多くの人に知ってほしい。
好きな作家は宮部みゆきと桜木紫乃
歴史と地形の高低差やへりに目がない62歳
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